2011年6月23日木曜日

良い企画、良いデザインの極意 “美は乱調にあり” その2

ヒット商品の裏事情

業界初でレトルトハンバーグを開発した人に聞いた話ですが、レトルトハンバーグは試作品段階では誰にも相手にされなかったそうです。途中で中止になるくらいだったのを、社長に直訴してようやくサンプルを作らせてもらえたほどでした。そのサンプルも「うちには置けないね」という問屋ばかり。売れなかったら返品という条件でやっと一軒だけ置かせてくれたそうです。サンプルを置かせてもらい会社に戻ると、置かせてくれた問屋からの伝言がありました。
「すぐ次のを持ってきて」
再びサンプルを納めると、会社に戻る途中にポケベル(まだ携帯が無い時代でした)が鳴り「足りない。もっと持ってきて」と言われ。本格的に製造を始めても、作り始めているそばから売れ、ジャンジャン電話が鳴っている状態。アメリカに大工場を作って製造してもすぐに売り切れる大ヒット商品となったそうです。

乱調からヒットは生まれる

正攻法とは、「どういうものが欲しいですか?」と尋ねる市場調査から始まります。しかし、どんなものがあったらいいかを普通の人が答えられるのなら、ヒットメーカーは要りません。一般市民の最大公約数は拾えても、隠された秘密の最小公倍数は拾い出せないのが市場調査の限界。市場調査や科学的な分析を正攻法としたら、一人の人間のひらめきは“乱調”です。本田宗一郎や松下幸之助といった一握りの天才が、市場調査やマーケティングの手法にはよらないで、ひらめきの中で作ったものが爆発的に売れたように、ヒットは、“乱調”から生まれるのです。

“美は乱調にあり”を心がける

私たちの仕事は“美は乱調にあり”を心がけることが大事なのです。
たとえばカメラの場合、地上から150~170cmからの一般的な人間の視野(※カメラマン養成講座も参照してください)を正攻法としたら、地面すれすれでカメラを構えたり、脚立に載って撮る写真が“乱調”です。レンズも、標準の55ミリが正攻法としたら魚眼レンズが乱調になりますね。対談なども、脱線した部分があるからこそおもしろいものです。決まりきった内容なら興味をひきませんから。

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